≪復刻版≫
その3’.純正流用ピストンにまつわる四方山話
次は、パワーの源(みなもと)であるピストンです。
大きく分別して、S・Lクランク対応のショートコンロッド用とG・Rクランク対応のロングコンロッド用の2種類です。
これにノーマルヘッド系のフラットトップタイプか、ビッグバルブヘッド系のマウンテントップタイプかに大別されます。
ココでは、ノーマルヘッドを流用するチューニングは割愛させていただきます。 ご了承ください。
少し横道にそれますが、ご勘弁をお願いします。 m(__)m
当時も現在と同様に社外品メーカーのパーツは高価で、ビンボー学生だった私にはそのようなパーツは高嶺の花であり、とてもおいそれと購入出来るシロモノではありませんでした。
そんな折、純正車種の中からモンキー系のボアアップに流用可能なピストンの情報を聞き得ました。
今となっては逆にマレですが、かの初代CB400F(関東地区:ヨンフォア、関西地区:シーヨン)
の純正ピストンが小加工にてモンキーの猿人に装着可能という、今となっては逸話じみたオハナシです。
偶然にも学校の近所に、事故って放置(ナンバーなしでかなりの期間)してあるシーヨンがターゲットになりました。
「決行は今晩!」ってなワケで、めでたくそのピストンが4個手に入りました。(時効です (^^ゞ)
そのピストンはφ51で、398cc用(CB400F−U)のヤツでした。
もちろん友人や先輩ら4人で山分けしたのは言うまでもありません。(爆)
画像提供:浪速のBOOさん
「多少の加工が必要」って聞いていたので、ある程度覚悟して自分の猿人に組み込んでみました。
まずはクランクエンドにそのピストンを仮組みしてみます。
ピストンピン径も同一で、小端部の幅も問題なく、すんなりと組み込みが終わりました。
次はシリンダーへの挿入です。
あらかじめボーリング屋で51mmに拡大してもらった純正の鉄シリンダーに、これもすんなりと装着完了です。
「多分、ヘッドかバルブに当たるんやろなぁ〜?」って予想してました。(-_-メ
試しにカブ70の純正ヘッドを、早◎仕から調達したヘッド・ガスケット(これは新品)を称して組んでみました。
組み込み完了後、おそるおそるフライホイルを回転させてみます。 “クルッ シュポッ クルッ・・・”
「あれっ? どっこも当たらへんヤン・・・?」 「小加工が必要って、ガセけぇ〜?」
「実際に火ィ入れてみやんとワカランぞぉ!」 「おまえが人柱になれぇぇぇぇ〜(爆)」
ってな会話を友人や先輩と当時したのを思い出しました。(遠い目)
もちろんそのまま車体に搭載して、その日のうちに無事猿人に火が入りました!(^○^)
ほどなく後日に、残り3人の猿人もボアアップが施されました。 もち、誰一人としてヒットせずに・・・(謎)
今現在でも、そのときのピストン&シリンダーは現役です。 (かれこれ20年程前の思い出話です)
ただしこの流用ピストンは、S・Lクランク限定です。 (書き終わってから気付きました・・・ 自爆)
社外品のピストンは、皆さんよくご存知ですよね!(笑)
各メーカーさんは、口を揃えたように 「必ず自社のシリンダーヘッドと組み合わせてご使用下さい。」「それ以外の組み合わせでは、弊社では保証出来ません。」 「不具合の発生が予想されます。」ヒドイのなると、「死亡事故に、または重大な・・・」 ってな具合に。
そりゃあ〜解らなくもありません。 メーカーとてすべての組み合わせを試したワケじゃないんですから。
あくまでも 「一般ユーザー向け」へのタテマエで、一種の社交辞令です。(爆)
ココで踏みとどまっていたんじゃ、次なるステップへ進めません。
独断で意見を述べさせてもらいますが、同じ規格で製作された工業製品ですから、取付方法さえ間違いがなければ性能はともかくとして、かなりの確立で 「組み込み可能」 です。
※ココで重要事項※ 実際には各自のご判断でお願い致します。
実際に組み込んだ例としまして、K社のシリンダーにT社のピストン、C社のヘッドにJ社のカムシャフト。(腰上)
R社の軽量クランクにK社の高速ベアリングとF社のポリッシュコンロッド、T社の5速にD社のクラッチ。(腰下)
ちゃんとフツーに作動しましたよ。 当たり前ですけど・・・(爆)
キャブやマフラーを始め、周辺機器なんかそれこそ星の数ほど存在します。
同一メーカーで揃えるのが常套手段でしょうが、違うメーカーの組み合わせを考えて実際に敢行することで4miniワールドをいっそう楽しく、またディープな世界へと誘って(いざなって)くれることでしょう。 (チ〜ン)