≪復刻版≫

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その14. 猿人分解時のコツとツボ

無事に車体からの “切り離し” に成功して単体になった猿人は、専用のハンガー等に固定しない限りやや安定性に欠けます。
頻繁に猿人を脱着作業する方ならともかく、プライベートでモンゴリをいじる人はそこまでの設備は持ち合わせていないのがほとんどでしょう。(笑)

時と場合の状況などによりますが、車体から猿人を降ろす前に是非実行しておくとよかろう例を幾つか上げさせて頂きます。

腰上作業やクラッチ系までの分解時には特に必要ないのですが、クランク系まで分解する場合は、フライホイルの脱着作業が不可欠です。
フライホイルを固定しているナットは、かなり強力なトルクで締め付けられているので、
インパクトレンチ等の設備が無い限り、その 「回転」 を止めることが必要となります。
猿人を車体に載せたままの状態であれば、ミッションを1速に入れてリアブレーキを掛けた状態にすると、ドライブチェーンを称してクランクの
「回転」 を止めることが出来ます。
この状態にすれば、比較的簡単にナットを緩める作業が可能となるでしょう。

フライホイル本体の取り外しは、やはり
「専用工具」を使用したほうが無難ですね。(^o^)
この
「専用工具(フライホイル・プーラー)」を持ち合わせていない時代は、フライホイルの側面を鉄ハンマーなんかでブッ叩いて強引に取り外したものです・・・^^;
ウマく一発で外れればラッキーなんですが、何度も何度も叩くと、本体やクランク等に、
重大な損傷を与える結果となります。(ーー;)
購入してもそれほど高価なモノではありませんので、頻繁にフライホイルの脱着作業をされる方には、是非揃えておいてほしい工具のひとつであります。

フライホイルが無事に外れたら、次はステーターベースの番です。
クランクの交換作業と同時に、強化カムチェーンへの交換もされる場合が多いので、このステーターベースも取り外す必要があります。
固定されている箇所は、上下の6ミリのプラスネジ2本です。

AB22E+キタコ51ストローク
クランク軸の上下の穴がステーター取付穴です。

しかし、このネジをナメて掛かると、ネジの頭を「ナメて」しまいます。(爆)

このネジは「皿ネジ」になっていますので、猿人の状態にもよりますが、かなりガンコにテーパー部に固着してしまっているのが通例です。(-_-;)
正常に作動する
「ショックドライバー」が必要不可欠ですが、貫通式の大きなプラスドライバーを使用して、叩きながら緩め方向に回転させると外せる場合もあります。
「+」の頭をツブしてしまうと、あとあと
厄介なコトになりますので慎重に作業しましょう。

お話の順番が逆になりましたが、この皿ネジは緩めておくだけでいいです。
車載状態でこの皿ネジを緩める理由は、猿人を
「安定固定させておいた状態」の方がより確実に、より正確に、この作業を行うことが可能となるからです。
場合によっては、車体を寝かせた状態の方が作業がやり易いでしょう。
くれぐれもタンクやキャブからのガソリン漏れには注意してクダサイね!
あらかじめ、タンクをフレームから外しておけば確実です。(^^)

猿人外廻りの
「厄介なネジ類」は、6V猿人系のケースボルトですね。
うんちく その1 でも述べましたが、このボルト類はプラス頭の
「ナベボルト」です。
12V系のケースボルトは8ミリの6角頭ですから、特に問題ないでしょう。
あと、猿人内部のクラッチハウジングのカバーの皿ネジにも注意が必要です。
オイルポンプを固定しているナベボルトも、比較的緩め難いネジ類に入ります。
上記の皿ネジ同様、
ショックドライバーを使用してのネジ緩めが確実です。

このようなトルクの掛け難い
「プラス頭のネジ類」は、可能な限り6角レンチ(ヘキサゴンレンチとかアーレンキーとも呼びます)が使用出来るネジに交換しておいた方がトルク管理が確実に出来ますし、何よりネジの脱着に伴う苦労が半減します。(^_-)☆
街の機械工具屋さんやホームセンター等をよく探せば、SUS製の6角キャップボルトや6角レンチを使用することの可能な皿ネジ類を見つけるコトが出来るでしょう!

SUS6角ボルト&皿ネジ 携帯写メールにて激写!(爆)
SUS製のキャップボルト&皿ネジ ホムセにてご満悦の私(爆)

「銀河一のモンキー専門ショップ」と名高い名古屋の「ガレージ・ネバーランド」さんも、これらの「厄介なネジ類」は、すべてSUS製の6角頭のボルト類に交換されています。
猿人をいじるユーザー側の立場から見て、非常に
良心的なショップですね!(^o^)丿