≪復刻版≫
その??.うんちくに漏れた部品類
腰上の部
・シリンダーヘッド
猿人主要部品であるシリンダーヘッドなどは、本田技研工業(株)<以下、ホンダ>内製の「HM刻印モノ」と、そうでないモノに大別されます。
4Lモンキーが現役の頃は、ノーマル49cc系などは内製がほとんどで、それ以外の(49cc以上の)排気量やビッグフィンヘッド等意匠の異なるモノは、「E刻印」や「M刻印」、それに「ダイヤマーク(◆刻印)」の、OEM製と思われる3種類が現時点で存在確認済みです。
ちなみに、「HM」・「E」・「◆」各刻印は “凸文字” がほぼすべてですが、「M刻印」は“凹文字”も一部見受けられます。
また、旧いヘッドほど「鋳鉄嵌込式燃焼室」でしたが、いつの間にやらバルブシートリングだけが鉄で、燃焼室自体はアルミ一体製のモノになってます。 <適用モデルにも拠りますが>
「E刻印」(例えばE2DLなど)のヘッドは、アルミホイール生産加工などで有名な遠州軽合金社製(現エンケイ)のOEM生産品らしいです。 <F1のホイールなども♪>
ホンダが遠州浜松に 二輪車製造工場を構えていた時代の名残りといえるでしょう。
御社はその他にも、ホンダ二輪車の燃料タンクなんかの製品もOEM生産されていたようです。
ダックス70やシャリイ70などの、“当時モノの猿人” に装着されているヘッドをよく目にします。
のちに生産中止になってから出回った補修部品モノは、「HM刻印モノ」となっているようです。
「◆刻印」は、諸詳細及び正体不明です。 <同箇所に在る“刻印線”の本数で年代識別可能とか>
カブ猿人がOHVからOHCにフルモデルチェンジした頃のモノらしく、そういう意味では「超々初期型」にあたりますね! 粗い“砂型”のようなアルミの地肌がイカしてます♪
最初期のOHCカブはC65と呼ばれ、63ccの排気量を奢られた二種原付でした。
管理人独断ですが、当時の「HM刻印モノ」とはアルミの材質及び鋳造技術が明らかにチガイます!
ただ、何処で造られたヘッドかは現時点で不明です。 (ダイヤ=三菱? 爆)
某紀州のまにわの方々曰ク、「非常に潜在能力を秘めたヘッド♪」 らしいです。(謎)
その他に、SS50やCL70等ビッグフィン系のヘッドには「M刻印」が確認出来ます。
下記にも述べますが、純正のSS50アルミシリンダーなどにもこの刻印が施されていることから推測しますと、“ハイパワー系の証し”なのか?と直断してしまうのは早とちりでしょうか?
・カムシャフト
純正ハイカムで超有名なのが、Yカムと呼称されるSS50用ですね!
このカムは、ジャーナル軸受部にY2と刻印されています。
SS50が発売される前にCS50という車種が存在しており、この市販車の猿人に組み込み可能である「ホンダ純正オプション部品扱い」のチューニングキットが発売されていました。
いわゆる“Yキット”です。 現在のHRCの前身であるRSCからリリースされており、このYキットを組み込んだCS50が「CYS50」なのです。
このキットのカムこそが正真正銘のYカム(2が入らない)なのです!
オプション品であるYカムと純正品であるY2カムの移行途中に、“889”と刻印された純正カムも存在しました。 <適用車種不明です>
当時の早◎仕でさえも、この889カムを「自社商品」として扱っていました。
(早◎仕店主に直接お聞きした確信情報です♪)
現在も早◎仕からリリースされている6V系の“R889ピストン”と、何か因果関係でもあるのでしょうか?
純正供給部品のY2カムが「ご相談部品」になり、その後にリプレイスされたカムにはこれらの打刻がなされていません。 <高価ですが現在でも手に入るようです>
蛇足ですが、Y・Y2・889・ノッペラボウ(爆)ともカムプロフィール等に変更等は見受けられません。
(シロウト判断ですが ^^;)
ただし、刻印が在るのと無いのとでは、市場価値に “雲泥の差” がありますね。(苦笑)
当時の純正カムは、シャフトの軸部が鋳物の肌ムキ出しの部分があり、そこに“JK”(?)という刻印が残されています。 <フツーのノーマルカムでも確認出来ます>
この刻印が何を意味するのかはまったくもって不明ですが、逆にその刻印をもってして純正品と確認出来る唯一の証拠だと独断してます。
社外のレプリカ品(!)などは、この鋳物肌が存在せず、キレイに切削仕上げされているので、一目で判断可能です。(現在の早◎仕リリース品を含む)
・ロッカーアーム&タペットアジャストスクリュー
色彩などを含む、外観の違うモノを3種類ほど確認しています。
現在でもごくごく一般的に出廻っている「黒っぽいヤツ」、赤銅色をした「茶っぽいヤツ」、表面がツルツルしてて「灰色っぽいヤツ」の3種類です。
聞いたハナシによりますと、この部品にもY部品が存在しており、カムシャフトとの摺動面にステライト鋼が盛ってあるらしいですが、私は現物を拝んだコトがありません・・・
高回転猿人で名高いイ◎ミモー◎ースがリリースしているモノと雰囲気が似ていますが、気のせいでしょうか?
よく知られた純正流用ですが、タペットクリアランス調整用の9mm頭のロックナットをスズキのギャグ&バーディー用などに交換するとナットサイズが8mmとなり、極僅かではありますが軽量化が可能です。
猿人が作動しているときは常に高速度で運動している部品ですので、特に高回転域でのバルブサージングを抑制させるメリットがありそうです。
・シリンダーヘッド右側のオイルラインカバー
6V系と12V系では、カムシャフトの軸受けにベアリングが装着されているか否かでカバー裏側のオイルラインやカムホール部分の形状がチガウのは当然ですが、旧い6V系と最終期の6V系でも細かいトコロで違いが見受けられます。
冷却フィンの形状なのですが、旧いヤツはこのフィンの前方側が鋭利に造形されており、ヘッド本体に固定するボルト穴部分の2ヶ所なんかは、まるで「ツノ」のようにするどく尖っています。
後期の頃のカバーは、このフィンがまろやかに形状変更されてますが、もしかすると製造工場又は、OEM会社自体が変更になっているのカモ知れません。
・ピストン&ピストンリング&ピストンピン
ずぅ〜っとむかぁ〜しから、「アート(ART)ピストン」と「リケン又は帝國リング」ですね。
社外品でも最も多く採用されている処から察すると、「実績と信頼のメーカー」なのでしょう!
マーレーとかコスワースなどから、高性能な鍛造製ピストンがリリースされないのでしょうか?
初期の頃の6V猿人に適用されていたピストンは、スカート部分が非常に長く、口の悪い輩などはオバQピストンと呼んでいたそうです。(爆) カブ系猿人の高い耐久性能が垣間見えてきますね。
現在の12V系猿人のそれと比較するとピストン全長が倍半分ほどのチガイがありそうです。
その後、6V猿人も最終期になると、ずいぶんとこの部分がシェイプアップされてきます。
ピストンリングは当然のことながら今も昔も3本タイプです。
ただ、当時のオイルリング(一番下側のリング)はすべて一体モノで、現在の分割組立式より若干摺動抵抗が高そうです。^^;
ピストンピンも6V系は肉厚で重量感がありましたが、現在の12Vはかなり薄く製造されています。
低フリクション&高効率のバランスの賜物なのですね。 <猿人全体にも云えます>
・シリンダー
ほとんどがスリーブ一体鋳鉄製ですが、SS50の初期型等ハイパワー系はスリーブ部分別体のアルミ製です。<うんちく3参照>
鋳鉄製は「HM刻印」の内製ですが、アルミ製は「M刻印」となってます。
当時の排気量明示刻印は 「cc」 でしたが、5Lモンキーの頃から 「cm3」 へ表示方式が変更になってしまいました。 <字体や文字の大きさのチガイも確認出来ます>
クラッチハウジングの “オイルコーション表示刻印” の消滅といい、この時期は各部品にかなりの仕様変更が見受けられます。
ちなみに、現在の純正鋳鉄シリンダーにも「HM刻印」が確認出来ます。
古いシリンダーには、スタッドボルトが通るオイルラインの部分に、丸い筒形状の“ボス”が確認出来ます。
かなり昔のモデルはこの箇所からオイルを取り出し、キャブやマニホを温めていたようです。
寒冷地でのキャブの“アイシング”を防止する、当時のホンダ技術者陣の「苦肉の策」だった名残りのようですね。
アルミシリンダーは、その部分の上側にも“謎のフィンの出っ張り”が残っています。
これは一体ナンの役目をするのでしょう?(謎) その前にナゼ残しておくのでしょう?(さらに謎)
腰下の部
・クランクケース
6V系のケースは、鳩マークの刻印が確認出来るハズです。<メチャ古いのは謎です>
扶桑軽合金社製(現アーレスティ)で、当時のモンゴリ系ケースのほぼ100%が同社製です。
猿系歴代モデルの中でも特に内部仕上げ等がキレイで、アルミ原料そのものにも非常に好感が持てます。(^^)
年代によってミッション軸受けが、メタルのヤツとニードルベアリングのヤツが存在します。
あと、純正ミッションが3速か4速かによって、ギヤが収まるべき場所の幅がちがってきます。
純正4速ミッションを流用する場合なんかは、その点特に注意が必要です。
逆に、精度や仕上げ、アルミ原料などがよろしくないのは内製(HM)ケースです。(ーー;)
最近の90cc(HA0#E)系のケースは、またチガウOEM会社に外注しているようですが・・・?
・フライホイール&ステーターコイル
製造時期や製造ロット、適用車種等により様々なタイプが存在します。
レジャー系の進角固定式タイプ<以下固定式>と、ビジネス&スポーツ系の遠心進角ガバナー式タイプ<以下ガバナー式>に大別されます。
前者はSクランク、後者はL&Gクランクで、両者はまったく互換性がありません。
Sクランク系は固定式オンリーで、リジッドや4Lモンキーの全車と5Lモンゴリの超初期型まで採用されています。
ガバナー式と互換性のあるLクランクの固定式は、5Lモンゴリの2.6ps最終まで採用されてから、Gクランク・3.1psにバトンタッチされてます。
固定式は日立製が大半で、ガバナー式は日本電装(現デンソー)製がほとんどを占めます。
<ごく一部に、日立製や三菱電機製のガバナー式も存在します>
管理人も最近になって認識したのですが、フライホイルの材質が鉄製のモノにもガバナー式のモノが存在します!
シャリイなどの6V後期に採用されていたタイプらしいですが、外観からは鉄製の固定式と見分けが付かないくらいソックリです。
12V系のCDI点火になってからは、ミツバ製の電装装置類も登場したのは周知の事実ですね。
・カムチェーン
ノーマルストローク系は82Lで、ロング系は84Lです。 猿系ヨコ猿人はタダの「25」ですが、CB系タテ猿人は「25H」規格でリンクプレートが若干厚手に出来ていますから、
純正部品で強化可能の代表的な部品ですね!
純正指定はダイドー製ですが、RK高砂製や椿本製にも同等品が在りそうです。
・ベアリング
クランク本体、ミッション軸受け、クラッチレリーズの回転部に組み込まれています。
常時オイルに浸かっていますので、すべてオープンタイプの標準型です。
鋼鉄ボールの“受け”が、真鍮やフェノール樹脂等で出来ている特殊なモノも存在します。
代表的なのが、キ◎コの「高速ベアリング」ですね!
どのタイプのベアリングでも、街のベアリング屋さんへ出向けば容易に手に入ります。
純正部品で引くよりも、若干ではありますが安く購入可能です。
製造元は、NTN、NACHI、NSKが有名ドコです。
・オイルシール
キック、チェンジのスピンドルシャフト軸部、Fスプロケット軸部、クランク&ステーターの回転軸部、手動クラッチレリーズに嵌め込まれています。
この部品も規格さえ判明すれば街の機械工具商などで購入可能です。
調べる手間からイケば素直に純正を引いたほうが手っ取り早いカモ、、、
製造元は、NOK製(日本オイルシール工業)とアライ製(ヘルメットとちゃうよ)が純正指定です。
・ケースボルトなど
純正猿人の外観からの相違点は、6V系の+(プラス)頭のナベボルトと12V系の6角頭の座面ツバ付きボルトですね。<うんちく1参照>
ボルトの規格は、すべて<M6*P1.0>の標準品です。
純正ボルトの材質は、当然のコトながらフツーのド鉄製です。(笑)
SUS304製のキャップボルトに交換することは、現在最もポピュラーな定番カスタムとなってますね。
お金に余裕のあるリッチな方々は、舶来製(死語)のポジポリーニ製や、チタン製のボルトをチョイスするのも、一般ぴーぽーの羨望の眼差しを受けることマチガイないでしょう!(爆)
ハナシが横道に逸れてしまいましたが、鉄製各ボルトには、仕上げにより多数の種類が存在します。
クロームメッキ・ユニクロメッキ・クロメート・ただの黒いヤツ。。。etc
あと、ネジのリーチにより「全ネジタイプ」と「半ネジタイプ」に分けられます。
管理人の拘りは、“SUS製のナベボルトを6V系ケースに♪”でっす!!(^o^)丿
リーチ50mm以上のヤツになると、注文取り寄せになってしまうのが玉に瑕ですが・・・(苦笑)
補器類の部
・点火コイル
不思議なコトに、TEC製の独断場です。
業界内競争が激しいこの世界で、この部品だけ単独企業なのはマレですね。
キャブレターのケーヒンといい、何か強いコネでもあるのでしょうか?
・点火プラグ
ご存知!NGK(日本特殊陶業)とデンソー(日本電装)の2大メーカー製です。
サードパーティーのイリジウム電極製なども含めて、性能的には両者とも甲乙つけ難いでしょう。
海外製のボッシュやチャンピオンなんかの適合品も存在するようです。
世界戦略車であるスーパーカブ系のスタンダードプラグサイズ<Φ10*P1.0>ですから、プラグなどの一般消耗品なんかは、世界中どこででも手に入れられるのは必須条件ですよね!
・プラグキャップ
モンキーの超初期型のZ50Mの頃はNGK製でしたが、Z50Aの中期頃からNICHIWA製に変更になり、その後はすべて同社製となっています。
現在も社外品として、NGK製のプラグキャップが販売されてますから、製品の性能上の不都合ではなさそうです。
その頃になにかNGK側に粗相があったのでしょうか? と、下衆の勘繰り。
いずれにしても、当時のNGK製の純正プラグキャップはプレミア付きで取り引きされているようです。