≪復刻版≫

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その13. 猿人脱着時の留意点について

ご紹介する話の順序が逆になりましたが、猿人をいじる際、大まかに分けて 車体から猿人を降ろさずに可能な場合と、降ろさなければならない場合の二通りのパターンがあります。
これは6V、12Vに
分け隔てはありませんので、そこんトコよろしくです!(苦笑)

いわゆる
「腰上」と呼ばれる、シリンダーヘッドとシリンダー及びピストンのみの脱着作業は、モンゴリ系の場合、Fフェンダーの取り外しとFタイヤのエアを抜けば作業可能です。
(10インチ以上に換装されている場合は、そのままいけるかも知れませんね。)
エアを抜けばまた入れ直さなければいけないので、エアポンプが手元にない方はホイールごと外しておけばいいでしょう。
この場合Fフォーク下に何か「カマシ物」をしておかないと、車体の安定性が悪く最悪の場合コケてしまいますが・・・。


クランクやミッション等まで手を入れようとする方は、車体と猿人を切り離す作業、すなわち
“猿人降ろし” が必要となります。 (「腰下」作業と呼びます)
モンゴリ系のノーマルステップ(フットペグ)及びスタンドは、ご存知のように猿人下端にボルト留めされてますので、まずはこれを取り外します。
(オイルを抜いておく方がいい場合は、スタンドを外す前に抜いておきましょう!)
スタンドを外すと同時に車体の自立が
不可能となりますので、純正スタンド以外の方法 例えばレーシングスタンド等を使用して車体を保持させる必要があります。

4L猿のレストア組立中
レーシングスタンド 使用例

猿人の下に
ビールケースっちゅー手もアリですね!(爆)

次に猿人周辺の補機類(マフラーやキャブ等)、ハーネスのカプラーやドライブチェーン、クラッチワイヤー等をすべて猿人側から切り離します。
あと残っているのは、猿人マウントボルトのみの状態になっているハズですね。
この猿人は、
カブシャリイ等のレッグシールドを除いて、車体(フレーム)との接続部分はボルト2本という必要最低限の装備で繋がっています。(笑)

あとはこの2本のボルトを抜けばメデタく猿人が降りるのですが、スムーズに無理なく、且つ猿人や“アナタ(爆)”に損傷を与えずに降ろす方法をレクチャーします。

 ・まず猿人マウントボルトのナットを、2コとも取り外します。
 ・次に、猿人後方(下側)のボルトを引き抜きます。
 ・この状態で車体にまたがり、左手で猿人下側をしっかりホールドした状態で、右手で最後の1本のボルトを抜き取ります。 (ギッチョの方は逆でも大いに結構です)
 ・ボルトが抜けると同時に猿人の自重が左手にズシッと掛かりますので、即座に右手でアシストします。
 ・あとは両手でそっと床面に猿人を着地させて完了です。

作業床面に段ボール等を敷いておけば、床や猿人に
ダメージを受け難いでしょう。


※あくまで私がいつもヤッている方法ですので、“ご参考”程度に読み流してクダサイね!(苦笑)



無事に降ろし終わった猿人は、お好みのメニュー通りに、心おきなく弄り倒しましょう!(笑)
ただ、せっかく猿人を降ろしてやるのですから、この機会に手を入れるべき箇所をしっかりとヤッておくと、後々後悔せずに済みますよ!
例えば、クラッチを強化するのと同時にオイルポンプを交換したり、5速T/Mを組み込むと同時にロングクランクやベアリングを交換しておけば、
2度手間が掛からずに済むでしょう。


猿人が無事組み上がったら、今度はフレームに
載せ直す作業です。

基本的に降ろす作業の
“逆”で何の問題も無いのですが、猿人マウントボルトを本締め固定する前に1つだけ 『うんちく』 を述べさせて頂きます。(爆)

フレームに猿人を仮載せした時点で、猿人はその自重によりフレーム側取り付けセット穴の最下端部に
ブラ下がっている状態のハズです。 (猿人取り付け側は、反対の最上端部です)
つまり、猿人セット穴には多少の「遊び」(ガタ)が設けてあります。(組立公差)
この状態のまま本締めしてしまうと、フレーム側・猿人側共に
振動等のストレスが大きく掛かってしまうのと同時に、加減速する際にドライブスプロケットの回転方向とは逆に猿人が動こうとします。
つまり、加速の際は猿人ヘッド側が常に上へ動こうとしますし、逆に猿人ブレーキが掛かってる状態では下へ動こうとします。 (つまり、
「反力」っちゅーヤツですわ)

このことを念頭において猿人の
搭載位置をキメてやれば、少なくともそのままボルトを固定した車体よりは振動等によるフレームのクラックや、加減速の際に発生するストレスを減少させる
効果があると私は信じています!