≪復刻版≫                             

MENUへ戻る


特別企画 : 早矢仕の『ナゾ』を究明する。

§2. 早矢仕語録編


早矢仕オヤジさんは、いわゆる「職人」のためか、時として一般の方々に語弊を招くであろうと思われる活字の表現方法になりがちです。
雑誌広告や組立説明書等の「語録」や「説明書き」に、やもすればとんでもない誤解や認識不足が発生していることも否めません。
このコンテンツでは、そのような語弊をわかりやすく(クドく)、理解しやすい?ように解説していきます。

あくまで管理人の独断で解釈した事柄が大部分でありますので、そこの処をご了承していただきたく存じます。
例によって、過大表現等が多数御座いますが、広いココロを持って目を通していただけたら幸いです。
また、当内容について早矢仕20モータース 及び
店主に、直接質問等をお聞きすることはご勘弁下さるようお願い申し上げます。

なお、内容の一部 または全部に対して、私は一切の責任を免除させていただきますことをお許し下さい。



雑誌広告の部




・「高い熱負荷にも、静寂なアイドリングにもよいピストンプロフィルを持っている。」


早矢仕のメイン商品の、 「R889(S・Lクランク用)ピストン」のキャッチコピーです。
ナゼか、12V系の 「R16ピストン(G・Rクランク用)」は除外されています。 
これも、6V系猿人への愛情の現われなのでしょうか?
商品としては、
オヤジさんのかたくなまでの拘りなのか、ピストン単体では出してくれません。
リングやピン類はもちろん、シリンダーヘッドとシリンダー、及びG/K類とのセット販売となっています。
ただし、店頭へシリンダーヘッド&シリンダーを持ち込んだ場合には、
オヤジさんの厳しい現品チェックが通ればその限りではありません。 (現品発送でも可です)
その場合、くれぐれもサードパーティー各社の 「屋号刻印」には留意して頂きたく存じます。

ピストン外観形状は、スカート部分が若干長いですが、一般的な 「コスワースタイプ」です。
ピストンリングは、「3本リング」が現在のトレンドですが、
早矢仕製は従来からの 「2本リング」です。
未燃焼ガス吹き抜け(ブローバイ発生)の抑制や、耐久性への寄与は 「3本」が優れていますが、摺動抵抗(フリクションロス)が低減されることによる出力向上への寄与は 「2本」でしょう!
耐久性と出力向上は、常に反比例するものなのです。



・「同じ排気量ならアルミシリンダーより鉄シリンダーのほうがスピードが出る。」


同じような語録に、
「このアルミシリンダーはスリーブが厚いのでスピードが出る。」というのもありました。
この語録から察すると、「厚いスリーブ=高いスピード」なのかなぁ?と、普通なら解釈されるでしょう。
一般常識的な考え方なら、「厚いスリーブ=高い耐久性」でしょうが・・・?

当時のアルミシリンダーは、SS50純正採用のアルミシリンダーの、「鉄スリーブ打ち換え品」でした。
この場合、スリーブが収まるケースホールとの大きさの兼ね合いがありますので、やみくもにスリーブ外径の大径化が出来ないようです。 (ケースボーリングという概念は、今もありません)
ノーマルの鉄シリンダーと同一径のスリーブなら、シリンダーとスリーブが一体である「純正鉄シリンダー」の方が、強度的及び剛性的に軍配が上がるのは当然でしょう! (あくまで耐久性が、です)
それだけ当時の 「改造アルミシリンダー」への信頼性を疑問視していた(る 現在形)のです。
あくまで、「当時の加工精度」に対する信頼性ですので、誤解のなきようお願い申し上げます。

オヤジさんの語録を言い替えると、「スピードが出る(高い速度が出る)」のではなく、「スピードが出せる(高負荷が掛けられる)」、と解釈して頂ければ幸いです。



・ボアアップ車用指定オイルは「モービル1」です。 (ホンダ純正オイルはダメです。)


ご存知のように、 「100%化学合成オイル」です。
バナナで釘を打つアレです。 化学合成オイルのハシリともいえます。
対する純正オイルは、一部の高級品を除き、一般的な鉱物性オイルです。
当時の純正オイルである 「ホンダ・ウルトラU(通称赤缶)」は、API表示のSCかSDグレードでした。
ノーマル猿人なら必要且つ十分の性能だったのでしょうが、ボアアップ改造された猿人にはすこし荷(負荷)が重かった(大きかった)ようですね。
そこで
オヤジさんは、当時の純正オイルの性能を遙かに凌駕する 「モービル1」に白羽の矢を当てたのでしょう。
店頭でそのことを
オヤジさんに確認すると、「GSで1番高いグレードのオイルを入れておけば問題ない!」と言い切ります。
具体例を挙げますと、「エッソ・ユニフロ」とか 「シェル・ヒリックス」とか、、、(ナゼか外資系)

巷で有名なオイルメーカーの 「高性能な合成オイル」は、基本的に四輪車用に精製されていますので、「発動機(内燃機)単体」にとっては、非常に有効と思われる化学添加剤などが多数含まれています。
一方、クラッチ系やミッション系までそのオイルを共有する二輪車の猿人は、少なからずそれらの機構機能への影響が懸念されます。 (二輪車専用品を除きます)
あと、製造年代が古い猿人に使用されている 「オイルシール類」への影響も然りです。
現行の規格にてリリースされている12V系猿人(適用部品類を含む)は、これらのあらゆる影響を考慮して設計・製造されているハズですから、まず不具合はあり得ないものと思われます。
しかし、カブ系6Vの猿人が設計&販売されたのは、遥か20年以上も昔の出来事です。
そのような 「高性能オイル」が、当時存在していましたでしょうか?

ちなみに、管理人の愛用オイルは、ホームセンターなどの 「広告の商品」で売られている「4Lで680円〜」の数量限定安売りオイルです。 銘柄などは特に気にしていません。
高性能オイルが高価なのは、オイル中に含まれる添加剤の価格(開発費を含む)が大半を占めます。
高価格になればなる程、これらの添加剤の含有率は上がる傾向です。 (ベースオイルにもよりますが)

今までで、オイルが原因であろうと思われるトラブルは一度たりとも発生しておりません。
当然ですが、短いインターバル(年2回または500km毎)でオイル交換するように心掛けています。
出力性能、パワー特性などについてはコメントを控えさせて頂きます。



・ハイコンプヘットのみ初心者おことわりします。 耐久性悪い (高圧縮のため)


早矢仕
のボアアップキットは、どれも適用ピストン及びヘッドガスケット類が同一品です。
(6V系と12V系の違いは当然ありますが)
「圧縮の高いキット」=燃焼室容積の小さいヘッドを流用使用したボアアップキットなのでしょう。
このシリンダーヘッドも巷で言う、いわゆる「ビッグバルブ・ヘッド系」と呼称される、インテークφ25、エキゾーストφ22の吸排気バルブが採用されています。
通常流用されるであろうダックス70系ヘッドに比較して、燃焼室容積の小さい他車種用のヘッドが 「純正供給部品」として現在も存在するものと察し出来ます。 

「圧縮が高い」ということは、一般的には高出力高性能の傾向になるのと同時に、その分耐久性が低下するというのが定説です。(上記のスリーブ厚に準じます)
こういったリスクを前提に購入するエキスパートユーザーの方なら問題なく扱えると思われますが、そうでないビギナーの方が扱うには多少の不安が残ります。
店頭にて直接購入する場合も、そのことについて
オヤジさんからの細かいチェックが入ります。
「以前に猿人の改造をやったことがあるのか?」 「どういった乗り方をするのか?」
「ナラシはちゃんと出来るのか?」 「各部調整等のやり方を理解出来るのか?」 などなど。
オヤジさんは、ビギナーユーザーの組み付け不良や、間違った取り扱い等による各種トラブルを最も恐れているようです。



・軽量フライホイル、CDIキット等使用しないで下さい。 エンジンがこわれます。
・24φキャブもダメです。



すべて、
早矢仕の現行商品では取り扱っていないモノばかりです。
社外CDI系に代表される各種電子部品や、2次クラッチなどの社外改造部品類も然りです。
ここにも 「職人気質」であろう、「納得いかないモノは扱わない」という姿勢以前に、「きょうびのハイテクパーツのたぐいは解らない」 っていうのが本音なのかと思われます。
当然と言えば当然なのですが、
オヤジさんはこれらの商品の存在自体だけは知っています。
しかし、
早矢仕で扱ってる自社製品との各種マッチングに難色を示しているようです。
オヤジさん自身がそれらの社外チューニングパーツ類のテストを行い、尚かつ納得のいく結果が生まれない限り、自社製品との組み合わせについては決して首を縦には振らないことでしょう。

あと、以前にそれらの社外チューニングパーツ等を使用して不具合などの発生した自社製品ユーザーの声なんかも大いに参考にされているようです。

例えば、「PEφ24のキャブではセッティングが出なかった」 とか、「社外のアウターローターCDIを使ったら猿人が壊れた」 などの声が想像出来ます。
決して、
早矢仕製品とのマッチングだけが問題ではなかろうはずですが・・・



・ボアアップでノーマルマフラーを使用する場合は18φキャブ。


早矢仕
でリリースされている大口径キャブレターは、京浜製のPCφ18・φ20・φ22の3種類です。
いずれもホンダ製二輪車用の純正流用部品です。(うんちく参照)
最近になって、PCφ22は広告落ちしてしまったようですが・・・(在庫は在ると思われます)

早矢仕ユーザーの中には、猿人をボアアップ改造してもマフラーは純正ノーマルから換装しない拘りの方も多数いらっしゃるようです。 (管理人も、純正スタイル推進派です)
各種社外マフラー製品類に比較して、純正マフラーは、ご存知のように排気音量を抑えるのが主たる目的で、決して出力などの性能向上を望めるべくものではありません。
また、ノーマル猿人を大前提に設計されてますので、排気量を拡大するような改造をされた猿人に装着することは、決定的にマフラーの容量(キャパシティー)不足になってしまうことは否めない事実です。
特に12V系の車両は、モンゴリに限らず吸気から排気までトータル的に煮詰められていますので、これらの影響を顕著に受けてしまいます。 (最近は、「環境にやさしい」が各社のテーマですから・・・)
いわゆる、排気の「フン詰まり状態」になっていることは、火を見るより明らかです。
このように改造された猿人に対してノーマルマフラーを装着した場合には、それなりの燃料供給量しか必要としない猿人になっていることは想像に難しくないでしょう。
しかし、ここでもノーマル純正品のキャブを装着したとすれば、まさに「宝(排気量)の持ち腐れ」状態だと断言出来ます。 (ライトボアキットがこの状態に近いです)
最悪の場合には、混合気が薄すぎて大切な猿人を壊してしまう可能性をも考えられます。
かといって、必要以上の大口径キャブをチョイスするのも、ノーマルマフラー装着の場合には些か問題があります。(ガスの吹き返しや吸気音の増大など)

そこで
オヤジさんは、ノーマルマフラーを装着したボアアップ改造猿人には、自社製品で1番最適且つ高効率と思われる、口径の小さな「PCφ18キャブレター」の装着を義務付けているのでしょう。

キャブレターに対するもう一つの商品語録で、
「18φキャブは20φになるメインジェット付」というモノもありますが、まったくもって 「ナゾ」です。
そもそも、ジェット交換だけでキャブ口径が変わるハズがないのは明らかですから・・・
言い換えるとすれば、「φ20の性能に近くなるφ18用のジェット」というモノが存在するのでしょうか?



・(国産製パワーフィルターは)あまりよくない。 (米国製は)10倍長持ちします。


この語録の商品は、何年か前に消滅しました。
オヤジさんが納得のいかない商品を扱っていた珍しい例です。
アメリカ製のフィルターは、かの有名なK&N社製でした。 国産製は忘れました。(というコトに・・・)

「あまりよくない」と銘打たれて販売されている商品も、一般的には非常に珍しいコトですね。
「商売」だけにハシるなら、多少の納得いかない点があっても黙ってそのまま売ってしまうところですが、「職人」であるからにはそうはいきません!
ナゼそのような納得いかないモノを仕入れたのかは疑問が残るところですが、
それを購入使用するであろう 「ユーザー」に正直に告知しているところが、すこぶる評価出来ます。
商品の 「良い・悪い」を冷静明確且つ的確に判断して、それをウソ隠しなく告知する
店主ってとってもステキだと貴方は思いませんか?



組立説明書 及び取扱説明書の部



・このナットは強く締めすぎると折れますが、折らないように強く締める。
(ここのナットのみ、折れるぐらい強く締める)



すべて、
早矢仕リリースのボアアップ・キットなどの組立説明書類からの語録です。
なんだか聞いていて妙な、不思議なニュアンスの言い回しですね。
これはシリンダー及びヘッドを組み込んだ後、最終的にスタッドボルトを締め付けるM6ナットのことです。

後にも触れますが、
オヤジさんの概念には「規定トルク値」というものが存在しません。
熟練した猿人ビルダーのみに与えられる、「てるくれんち」を用いての締め付けです。
余談ですが、タペットクリアランスも 「てっくねすげーじ」で調整されています。

語録から察すると、「ねじ切れる寸前まで締めなさい!」ってコトになります。
逆に申し上げれば、規定通りのトルクで締められたこのナットは、
オヤジさんにとってみれば、まだまだ全然締め付けが足りないということです。
まぁ裏を返せば、ノーマルより飛躍的に上昇した圧縮比に耐えうるだけの密封能力が求められるのですから、理解出来ないワケでもないのですが・・・
ただ、ねじ切れる寸前の力の入れ加減って、場数を踏んで習得するしか手がないような気がしますが?
くれぐれも、このスタッドボルト及びナットのネジ山を舐めないよう注意して下さいね!



・マフラーの音を、大きくすればするほどスピードが出る。

非常に誤解を招きやすい語録のひとつですね。
極論をいいますと、最大の排気音量を出そうと思えば、マフラーを付けないことです。
百歩譲って、消音機能のない筒だけの 「直管バリバリマフラー」のコトなのでしょうか? 
しかし現在の常識として、高出力の発動機には高効率の排気機構(マフラー)は必須となっています。
では、
オヤジさんの言う 「大きな音のマフラー」とは、如何なモノなのでしょうか?

早矢仕がリリースしているマフラーは、いにしえの昔から在る、例のダウンマフラーのみです。
(通称:芋マフラーとか、ダンマフなどとも称します)
ただ、JMCAなどの保安基準に適合しないため、現在は雑誌広告には掲載されておりません。
このマフラーの消音部(通称:レンコンとか、ただ単に「芯」とか)の構造により、大小2種類の音量が選べるようになっています。 勿論互いに互換性があり、換装可能です。
オヤジさんの頭の中では、この2種類のうちの一方の 「音の大きい」方なのかと思われます。
マフラーに関する語録の中で、
「(純正マフラー以外の)アップマフラーは使用しないで下さい」というところからも、自社商品マフラー以外はオヤジさんの概念に無いようです。

巷で星の数ほど存在するモンキー系の社外マフラーですが、
オヤジさんが自社扱い商品にするつもりは毛頭無いものと言い切れます。



・アルミシリンダーを使用する場合は、下側のノックピンは捨てる。 ピストンが焼き付くため。


腰上部分のスタッドボルトの外側へ組み込む、8*12の2本のノックピンのことです。
シリンダーとクランクケースの位置決めの役割を担う、重要な部品のひとつです。
上記のスリーブ厚の語録解説の項でも述べましたが、スリーブを打ち変えて内径φ52としたアルミシリンダーは、クランクケースとのクリアランスがほとんどギリギリです。
ケースの個体差などにもよりますが、中にはケース同士の合わせ面の段差が酷いのもが存在し、場合によってはスリーブ部とケースホールが接触してしまうことも考えられます。
ケースホールを切削加工等すれば問題ありませんが、ケースとスリーブが接触した状態、またはそれに近い状態のままノックピンを通常通りに入れて組み込んでしまうと、シリンダーの自由度が拘束されてしまい、猿人に火が入って熱膨張が掛かった時点でスリーブに熱歪みが発生し、最悪の場合はピストンとシリンダーが焼き付いてしてしまう可能性があります。

このようになる事を恐れて、
オヤジさんはこのノックピンを取り除く指示をされています。
単純に「入れない」とか「外す」ではなく、「捨てる」っちゅう指示が
オヤジさんらしいです。

ただ理想を申し上げるとすれば、ケースホール当該部分をキッチリ加工して、スリーブとのクリアランスを確保した状態で、確実にノックピンを組み込みたいものです。



・鉄シリンダーは普通に締める。 アルミシリンダーはゆるく締める。


シリンダー側面に設置されたカムチェーン・ガイドローラーのボルト軸のことです。
この部分のボルト軸部分は、猿人が作動するとカムチェーンが摺動することに伴ってガイドローラーが回転します。
このガイドローラーの回転方向がクセ者で、ボルトの緩み方向に回転するのです。

上記で述べさせて頂いたように、
オヤジさんには「規定トルク値」という概念が存在しません。
もっと正確にいえば、各部の規定トルク値は、
オヤジさんのカラダが覚えているのです。
何をもってして「普通に締める」のか、また何を基準にして「ゆるく締める」のかは、
オヤジさんのみぞ知る領域なのです。 (私も現在習得中であります)

ただ申し上げられるコトは、アルミ製のシリンダーはいうまでもなくネジ山部もアルミ製です。
同じように、鉄シリンダーは鉄のままのネジ山となっています。 
締めこむボルトも鉄製です。 (アルミの8mmシーリングワッシャーが入りますが)このようなことを考慮しての
オヤジさんの的確な指示だと解明出来ます。



・クラッチの組込みは、だいたいの人が失敗する。(クラッチが切れない状態になる)


強化クラッチスプリングやクラッチディスクの組立説明書に記された語録です。
オヤジさんに対して非常に失礼なのは十分承知でありますが、ついつい苦笑してしまいます。

クラッチユニットの各種構成部品のセンター出し作業が正確に行われていないと、プレッシャープレート等が正常に作動せず、クラッチが切れない状態になります。
説明書には、懇切丁寧に組立方法などが記載されており、最終的には各部品のセンター出し作業方法までが記述されています。
店頭にこれらの商品を購入しに行くと、
オヤジさんの実演指導まで受けさせて頂けます。
それでも、ユーザー側の組立不良及びセンター出し作業のミスが作動不良の大半を占めるであろうと思われる苦情が、後を絶たないものと想像されます。

どの辺りまでが「だいたいの人」なのか、即断するのには非常に困難不明瞭且つ幾つかの疑問が残りますが、ひとつの大まかな目安として「以前に、同構造のクラッチ組立を成功させたことのある人」は、少なくとも
オヤジさんが指摘する 「だいたいの人」の基準からは外れるかと思われます。



・スロットルを早く回すとババババと不調になるので、アタリが付くまでゆっくり回して下さい。


新品のキャブレターキットを購入すると、懇切丁寧な「装着方法」と「調整方法」などが記載された説明書が添付してきます。

真新しいキャブを装着した場合、必ずといっていいほどアイドリングやスロー系の調整とともに、各種ジェット類の交換作業(キャブセッティング)が必要となります。
しかし、いくら該当各所を調整してもキャブの新しいうちは、俗に言う「馴染み」がありません。
組み立てたばかりの猿人にも、ある程度の「ナラシ」が必要なように、キャブ単体でもこの「ナラシ」に相当する時間と環境が必要であるのは、おぼろげながら感じています。

管理人が実際に経験した逸話ですが、改造されたばかりの猿人に新品購入のキャブを装着して各所セッティングを試みたのですが、効果のほうがそれほど思わしくなく、仕方なくある程度の期間をそのままの状態で乗らざるを得ないことと相成りました。
セッティング不調の症状として、語録通りのいわゆる 「開けカブリ」と言われる状態で、アイドリング回転数からアクセルを素早く開けても、猿人回転がアクセル開度についてこない状態です。
しばらくそのままの状態で乗り続けたところ、徐々にですがこの症状が改善されていきました。
こういった過去の経験から、キャブ単体にも一定期間のナラシの必要性を感じている次第です。

猿人がキャブに馴染むのか、逆にキャブが猿人に馴染むのか、はたまたキャブ自体が使用時間や気候等に応じて馴染んでくるのかは不明ですが、
オヤジさんの語録が身に染みている今日現在です。